高齢化社会に伴い、重要性の増す口腔外科
口腔外科は、親知らずなどの難しい抜歯、口腔・顔面外傷の治療、口腔内の腫瘍や嚢胞(膿の袋)、奇形、顎変形症、難症例のインプラント手術などを行う診療科です。インプラント(人工歯根)のような治療技術の発達により、これまで諦めてきた歯の欠損部に対する治療が可能となりました。さらに、高齢化社会に伴いお口の中の各種疾患の早期発見・早期治療の必要性も高まり、口腔外科の重要性が増しています。
さらに全身の病気の症状のひとつとして口腔内に異常をきたすことがあります。これらへの対応も口腔外科医が得意とするところです。
口腔外科の専門家の視点から歯科医療を捉えています
理事長は、国立仙台病院歯科口腔外科で、顎変形症(受け口等)の咬み合わせや審美的な外観をつくる手術、癌や外傷などで歯や顎の骨を失った人に対して骨を移植し、インプラントにより咬み合わせを再建する治療を中心に研鑽を積んできました。
当院では、口腔外科医が複数在籍しており、口腔内のケガや病気に対する適切で安全な治療体制をいっそう充実させています。そして、一般歯科をはじめとしたどの治療においても口腔外科医としての視点を活かし、長期的なライフサイクルの中で、歯だけでなく口腔全体の健康維持をサポートすることを目指しています。
また、高齢化社会に伴い、さまざまな既往歴や全身疾患をお持ちの患者さまが多く来院されます。かかりつけ主治医と情報を共有して、安全な治療や投薬ができるように密な連携を図っています。
歯科用CTと専門的な診療技術により、正確な診断・治療を目指します
お口の中から全身の病気を発見したり、一見、歯周病や口内炎と見間違えてしまいそうな初期の口腔癌を発見したりすることも稀ではありません。口腔外科専門医だからこその早期発見・早期治療が可能です。また、大規模な外科手術の設備・体制が必要な場合は提携している富山大学附属病院へ紹介し、入院・手術を受けていただくことも可能です。
難しい親知らずの抜歯もお任せください
親知らずは、なぜ抜いた方がよいのでしょうか
現代人は顎が小さくなってきており、親知らずが並びきらない方が増えています。萌え方によっては歯磨きをきちんとすることが不可能な場合があり、こうした場合は将来的にむし歯や歯周病になってしまう可能性が非常に高くなります。
また親知らずがむし歯になってしまった場合、一番奥なので治療器具が届きにくく、その後のケアも難しいので、治療をしても高い確率で再発します。最悪の場合は、手前の健康な歯(7番)を巻き添えにしてしまうため、早めに抜歯しておくことをおすすめします。
さらにむし歯や歯周病になってからでは麻酔が効きにくく、治療が大変になりがちです。また年齢が若いときの方が抜歯後の骨の回復がスムーズであり、放置しておくと親知らずと骨がくっついてしまう場合もあるので、十分なケアができない場合には、早めに抜歯する方がよいでしょう。